アメリカの歴史 2
歴史家ジョナサン・ヒューズは、
「ホイットニーの生涯における最大の皮肉は、おそらく南北戦争の両側に残した彼の事業による影響であったろう」
・・・と述べています。
このようにある程度誇張を伴いながら、個人の役割を重視するこの歴史家の見方はそれなりに興味深いのですが・・・
そのヒューズも現代大量生産技術の基本である互換性部品の起源におけるホイットニーの役割については、彼の仲間であった多くのヤンキー・メカニックたちの「代表者」にすぎなかったという立場を堅持しているのです。
他方、新技術の拡散過程を重視する技術史のローゼンバーグは、慎重に名指しは避けつつも、「誰が創始者か」の問題については「ニ次的な意義」を持つものにすぎないとしています。
「名前や時日は初歩の歴史の叙述を単純化するのには役立つかもしれないが、発明の経済的成果の評価には何も寄与しない。
経済的インパクトの観点からみれば、重要なのはその拡散過程である」
・・・と述べています。
それにもかかわらず、アメリカ企業文明史の文脈からみる限り、イーライ・ホイットニーは興味ある人物であることには変わりはありません。